酸味のはしご
週末、友人夫婦が2組遊びに来た。
どちらも30年来の付き合い。年に何回か集まり、飲んだり、旅行に行ったりしている。
どちらもいちご狩りだのサクランボ狩りだのが大好きな夫婦で、横浜の我が家の近く、歩いていける距離にいちご狩りができるところがあると言ったら、さっそく駆けつけてきたのだ。
混むとは聞いていたが、着いてみたらホントにすごい。
1週間ほど前に予約をし、予約した時間よりちょっと早めに到着したのだが、入っていこうにも出てくる人に押されてなかなか入り込むすきがない。
やっとの思いでハウスの中に入ると、あらら、手前の棚はほとんど食い尽くされて、食べられそうないちごは見当たらない。
「あっちに赤いのがいっぱいあるよ」
目ざとくみつけた一人がスリスリっと奥に入っていったが、
「あ、ひもが張ってある・・・」
まだ解放されていなかった。
いい歳した大人が6名、ちょっとイラッとしながらうろうろしていると、徐々に人も減り、そのうち未開放区が解放された。
時間にして30分。
いちごには珍しく酸味がほとんどない、濃い甘みが印象的な”ベリーC”という品種を食べられたのは、ラッキーだったかもしれない。
「時間が短いなと思ったけど、十分お腹いっぱいだね」
イライラしたこともどこへやら、みな十分満足して我が家へ戻る足取りも軽い。
「これ、みんなで飲もうと思って」
家について友人の一人が差し出したのが、横浜ではそれなりに有名なコーヒー豆販売店の袋。
中を覗くと焙煎済みのキリマンジャロが500g入っていた。
残念ながら好みに焙煎、とはいかなかったが、ありがたく6人分の豆を挽く。
ハンドドリップで淹れたての酸味を味わいながら、延々と、どうでもいい話題が尽きることなく盛り上がっていった。
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